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詩のメリーゴーランド
poem on a merry-go-round
<< 都 会 >>
by 若原径行
どこを見ても
アスファルトの 青黒い色
僅かな大地に
草花たちが しがみついている
砂ぼこりたつ でこぼこ道は
ないほうが いいだろうけど
灰色の道の中を 鉄の車がなくては
歩けなくなった
ガタゴト走る 路面電車が
何だか懐かしい
道路を埋めてゆく 車の流れ
ヒトはもういない
詩のメリーゴーランド
poem on a merry-go-round
<<赤道直下の蜃気楼>>
by 若原径行
ココナツ色に 焼けた素肌
小さく膨らんだ胸を 少し得意そうに
水しぶきをあげて 時間と戯れる
碧の瞳
少女よ 君の長い髪に
刻まれてゆく 思い出
いつまでも 変わらずに いられたら
瞼に浮かぶものは 赤道直下の蜃気楼
めくるめく心に
戸惑いも何も 知らないで
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